２人のなれそめ（その10：運命の日 後編）
まーのお腹をさわっているうちに
もう、どうにもこうにも
止まらなくなった
いつも一緒にいた理性が
その時は完全になくなってしまった
顔が近くにあったので
思わずキスをした
まーは突然の出来事に
驚いたようす
一瞬驚いていたけど
抵抗はなかった
まーを強く強く抱きしめた
そこからはもう無我夢中で
あまりよく覚えてない
頭の中が真っ白になり
胸はバクバクと動悸をうった
しばらくは恍惚として我を忘れ
うっとりするほどの幸福感に包まれた
・・
まーは友だちで
しかも結婚している
絶対にしてはならないこと
でもうちに秘めた気持ちで
ずっと前からこうしたかった
いつもなら自制心で
抑えつけられていたのに
抑えることが出来なかった
・・
あとでまーに
この時のことを聞くと
嫌じゃなかった
むしろ嬉しかったと言っていた
でも、何が起こったのか
よくわからなかったとも言っていた
ノンケのまーにとっては
この時点では
ショック（驚き）のほうが
大きかったのかもしれない
中高の同級生に
それも同性の同級生から
キスされるとは思わないよな
・・
香子が目を覚ます前に
まーと一緒に
朝食の支度を始めた
（２人とも一睡もしていない）
香子が目を覚ましてからは
私もまーも
何事もなかったように振る舞った
３人でいつもの感じで
朝食を食べて
テレビを見ながら話をした
香子は彼氏とデートがあると
昼過ぎに帰った
２人きりになって
私とまーは
特に言葉を交わすもなく
また抱き合ってキスをして
その日は夕方までずっと
ベッドでくっついていた
このまま時間が止まってほしいと思ったけど
まーがボソボソと
「旦那が帰ってくるから帰らないと、、」
と言って、はっとなった
そうだった
まーは結婚してるんだった、、
帰らないで欲しかった
でもそれは出来ない
手をつないで
まーを駅まで見送った
少しでも一緒にいたくて
遠回りしたりして、、、
手をつないで歩いた時間は
とても幸せだった
・・
見送ったあと
駅から一人でアパートまで歩いて
昨夜から起こったことを回想した
幸せだっだけど
まーには旦那さんがいる
諦めるしかないのか、、
まーはどういう気持ちなのか、、
ぐるぐると色んなことが
頭のなかを駆けめぐった
続く
