20年前、父の思い出

今日ふと思い出した


20年前の今頃は
バックパックを背負って
マレーシアかシンガポールにいたなぁ


20年前、19歳の時


10代最後に何かしたいと思い
バイトで貯めた貯金で
夏休みに旅をすることにした


行き先は
ネパール、タイ、マレーシア、シンガポール


この旅のことを思い出すと
父のことも思い出す


亭主関白で厳格な父


とても怖かったw


ポケットに手を入れているだけで
もの凄く怒る


なぐられたこともあった


当時の私は反発もして
よく父とぶつかった


でも、とても愛されていたと思う


・・


旅に出る前
渋谷で飲んでいた時に
偶然にも隣りに座っていたのが
ネパール人(2人)だった


8月にネパールに行くんだよ 」と言ったら
ネパール人の一人(Gさん)が
じゃあ、うちの実家に泊まればいいよ 」と
出会って数十分なのに電話番号を交換して
本当に彼の実家に泊まらせてもらうことになった


全て決まってから父に
旅に出ることを告げた


渋谷で知り合った
ネパール人の実家に泊まることを
父に伝えたら
大丈夫なのか?
と今まで見たことがないような表情をして
怯えたように心配していた


ネパール人Gさんは
どこに住んでいるのか?
名前は?
何をしている人か?
と父に細かく聞かれたけれど


名前と連絡先
都内のあるお店で
店長をしていることくらいしか
知らない


でも最初に会った印象
信用出来そうな人だと思ったので
彼の実家に泊まることに決めた


航空券もとってしまったし
行くと決めたら行く私
言うことを聞かない


その話をしたその夜
私が寝たあとに
父と母は私が話したことを手がかりに
Gさんに会いに行っていたことを後で知る


よくGさんに会えたなと思ったのと


夜な夜な
私の両親に呼び出されたGさん
驚いたに違いない


父はGさんを信用出来そうな人だと
言っていた
けれど行き先が未知であるネパールであること
宿泊先はほとんど決めていかないこと
行き当たりばったりなこと
かなり心配していた


でも行くことを
しぶしぶ許可してくれた


出発当日、
横浜から普通電車で成田空港まで行くときに
父が横浜まで荷物を持ってくれた


あの日の父の顔は
いつものような厳格な父の顔ではなく
とても悲しげで
私に会うのがこれで最後というような
悲しい顔をしていた


電車に乗り込み
ドアが閉まった瞬間


父は泣いた


今まで父の泣き顔を見たことがない


その姿を見たら
私の中でも沸き上がるものがあり
涙が頬をつたって
一瞬、旅を止めようかとも思った


だけど決めたことは
やり通す


情けないけれど
泣きながら成田へ向かった


あの日の父の顔は
ずっと忘れない




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