はじめての失恋
はじめての彼女、菜穂(仮名)は
20~27歳までお付き合いをした
菜穂は私の友だちNの友だちで
Nが旅行に連れてきたきっかけで
仲良くなった
二人で旅行に行くようになって
距離がぐんと縮まり
「 付き合いしましょう 」とかはなく
自然とそうなった
私にとっても
菜穂にとっても
初めてのお付き合い
しかも同性だったので
7年間、誰にも打ち明けず
ずっと二人の世界だった
20代前半は学生だったから
ただただ楽しく
段々と変わってきたのは
きっと菜穂が社会人になってから
だと思う
菜穂は社会人になって
学生から社会で働くことが
かなり辛そうで
初めての職場でいじめにあってた
その職場は1年ほどで辞め
何回か転職を繰り返した
菜穂は必死だったのだと思う
自立しなきゃ と
アルバイトでも何でも
二人で働いていけばなんとかなる!
と私は思ってたけど
菜穂はそうじゃなかった
ようやく職場も安定した頃
菜穂のお母さんが具合悪くなって
菜穂はお見合いをするようになった
お母さんが
「 死ぬ前に結婚して欲しい 」と
病院へお見舞いする度に言われていたようで
菜穂は結婚を急ぎはじめた
子どもも欲しいと言っていたし
私はそれを止めることが
出来なかった
お見合いをすると私に報告があり
なかなかいい相手がいなさそうだったから
内心、あきらめるんじゃないかと
少し期待していた
けれどお見合いの話を聞くのは辛かったから
だんだん連絡をとらなくなっていった
連絡をとらなくなって一年後
突然、菜穂からメールがきた
「 結婚します 」と
かなりの衝撃で
頭が真っ白になって
立っていられないくらい
フラフラした
どんな相手なのか
凄く知りたかった
一年ぶりに菜穂と
いつも一緒に行っていた
お店で会うことに
話を聞くと
相手はお見合い相手ではないと
転職してる間に
一瞬、同じ職場だった人だという
出会いは3年前というから
私と2年かぶっていたことが発覚
全くわからなかった、、
今は証券のビジネスをしていて
実家もかなりのお金持ち
とても太刀打ち出来ないような
超エリートだった
かなり落ち込んだけれど
最後は明るく別れようと
逆に泣いている菜穂を励ました
「 じゃあね、元気でね!」
と言って駅で別れた
背を向けて一度も振り返らず
駅のホームで一人泣いた
その時は
2ヵ月で8キロも痩せてしまったw
あれから10年以上も経って
私も変わったし
今なら笑顔で菜穂に会える
菜穂は元気にしてるだろうか
今の私と会って何と言うだろうな