2人のなれそめ(その11:距離感)

(その10:運命の日 後編)の続き


「運命の日」のことを思うと
幸せに感じたりもし
また逆に不安にもなった


『ずっと友だちだった2人が
一線を越えた』


異性・同性間にかかわらず
大きな変化だと思う


それに
まーは結婚している


まーは一体
どういう気持ちでいるのだろうか


とにかくまーに会いたい
会って話がしたい


私の頭はまーのことで
いっぱいになっていた


いてもたってもいられず
また次の週末に1時間でもいいから
会えないか
」とすぐにLINEした


まーが見たい映画があるというので
即座に映画館と時間を調べて
席を予約した


やっぱりいつもとは違う


私はまたまーに会えるのが嬉しくて
友だちではなく
完全にデートモードになっていた


当日、待ち合わせより
早い時間に着いてしまい
まーを待った


彼女を待つかのように
まーを待った


道に迷って
まーは少し遅れてやってきた


・・


映画館に入って
ドリングとポップコーンを買う時
まーがお金を払おうとしたので
手で制して「いいよ」と
私が払ったら


まーが
急に変わって、ヘン!
とクスクス笑いながら言う


要は
あの日を迎える前までは
普通に友だちとして割り勘だったのに
彼氏みたいに払おうとした私が
おかしかったらしい


笑われてちょっと動揺した


そうか、あれは “一夜限り” のことで
本気になっている私が滑稽に写ったのか、、


少し落ち込んだ


映画がはじまり
まーは映画に集中


私は映画よりもまーの手を
いつ握ろうかということばかり
考えてた


だけど
ヘビーで暗い内容の映画だったから
手を握るシーンになかなかならない


我慢ができず
ススッとまーの手を握った


でもまーは
一度も握り返してこなかった、、


映画が終わって遅いランチを食べて
街を歩いたりカフェでお茶をしたり


まーの態度は
友だちの時となんら変わりがない


やっぱり私の独りよがりな思いで
まーは何とも思ってないんだなと悟った


私もまーも夕方から用事があったので
16時くらいに別れた


その日は結局
映画館から出てから
手をつなぐことさえなかった


・・


この日のことをあとでまーに聞くと
どう接すればいいかわからなかった」と


私が以前からずっとまーに好意を持っていたと
説明しても、なかなか信じてもらえなかった


確かに、あの日を迎える前までは
気持ちを悟られまいと
態度には一切出さなかった


だから、まーは
あれは “事故” だったんじゃないか
と思っていたらしい


・・


「運命の日」からしばらくは
互いに探り探りで
“距離感”がつかめなかった


まーにしてみたら
相手は同性で
過去に経験がないわけで


『友達と恋人の境界線』
戸惑った部分はあると思う


そのうえまーは結婚もしているわけで、、


私も結婚している相手とは
そうなったのは初めてだったし


互いにどうしたらいいか
わからなかった


続く



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